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  1. 因果関係(ルンバール事件)
 

因果関係(ルンバール事件)

2008/09/30

Q ルンバール(腰椎穿刺による髄液採取とペニシリンの髄腔注入)を患者に実施したところ、脳出血が生じてしまいました。その場合、ルンバールと脳出血との間に因果関係があると認められるのでしょうか。医療事故訴訟における因果関係はどの程度立証されればよいのでしょうか。

 

一般的に、損害賠償責任を負う場合には、行為と結果との因果関係が要求されます。

医療事故訴訟における損害賠償においても、医療行為とその招来した結果との間に因果関係が要求されることになります。

では、どの程度の因果関係が要求されるのでしょうか。

上記ケースの元となった最高裁判所昭和50年10月24日判決(民集29巻9号1417頁)が参考となります。

同判決は、訴訟上の因果関係について、一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑いを差し挟めない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつ、それで足りる、としました。

これは、自然科学的な厳密な証明ではなく、特定の結果発生を引き起こしたことを認められる高度の蓋然性の証明で必要十分であるというものです。

このケースでは、医学的な経験則を適用することによって因果関係を認めました

具体的には、

  • 化膿性髄膜炎の再燃する蓋然性は通常低いものであり、当時それが再燃するような特 別の事情も認められないこと
  • 経験則上、本件発作とその後の病変の原因は脳出血であること、本件ルンバールによ って脳出血が発生したこと

を認定し、因果関係を肯定しました。

したがって、医師としては、自然科学的な厳密な証明がなされていないからといって、因果関係を否定されるということはなく、経験則を検討し、高度の蓋然性が認められれば、因果関係が肯定されることもあり得ることを認識する必要があろうかと思います。

医師としては、常に医学的経験則についても研鑽を深めておく必要があるといえます。

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